無印吉澤

Site Reliability Engineering(SRE)、ソフトウェア開発、クラウドコンピューティングなどについて、吉澤が調べたり試したことを書いていくブログです。

SRE NEXT 2026 Discussion Night「地域 SRE コミュニティ最前線」を5コミュニティ+αで開催しました

SREコミュニティではMuzi(ムジ)と呼ばれている吉澤(@muziyoshiz)です。Tamachi.sreの運営メンバーをやっています。

SRE NEXT 2026 Day 1の夜の部、Discussion Nightの企画をTamachi.sreに任せてもらえることになり、「地域SREコミュニティ最前線」というイベントを開催しました。

本当に急きょ立ち上がった話で、各コミュニティの方にお声がけしたのはイベント5日前の日曜深夜(!)でした。それにもかかわらず、皆さんにご快諾いただけたおかげで、各コミュニティの運営メンバーが考えていることを深く聞ける、面白いイベントになったと思います。

こちらのイベントの様子と、各コミュニティの発表資料をご紹介します。

イベントの概要

昔から活動されている有名なJAWS-UGなど、特定プロダクトのユーザーグループとしてのSREコミュニティは多数ありますが、ここでは、特定の地域に根ざしたSREコミュニティを指して「地域SREコミュニティ」と呼ぶことにします。

最近、なぜか同時多発的に地域SREコミュニティが生まれてきています。時系列的にはTamachi.sreが最初になりますが、それぞれ特に直接的な関わりはないコミュニティです。

  • Tamachi.sre(初回:2025-10-02)
  • SRE Lounge Hiroshima(初回:2026-02-21)
  • Fukuoka.sre(初回:2026-06-19)
  • ホンマでっかSRE勉強会(初回:2026-06-25)

各地域でのSREコミュニティを促す活動として、Road to SRE NEXTというSRE NEXTのプレイベントがあり、これは2024年から開催されています(そのRoad to SRE NEXT 2024 のリーダーは Tamachi.sre の運営メンバーでもある渡部さん)。

そこで、このイベントでは、各地域のSREコミュニティ+Road to SRE NEXTの運営メンバーに、「なぜ始めたのか」、「どうやって続けているのか」、「実際やってみてどうだったか」を話してもらいました。

これが、新しいコミュニティへの参加や、コミュニティ立ち上げのきっかけにしてもらおう……というのがこのイベントの狙いだったのですが、イベント中に飛び込み発表があり、さっそくNokuchi.SREが立ち上がりそうです。この記事の最後の方でそちらもご紹介します。

イベントの様子

Discussion NightはTrack A〜Cでそれぞれ別の企画を開催していて、一番端のTrack Cにはほとんど人が来ないのでは、と心配してたのですが、結果的には50名ほど集まる大盛況でした。移動や途中退席は自由にしていたのですが、最後も30名くらい残っていたと思います。

私は司会でいっぱいいっぱいで会場の様子があまりわからなかったので、特に刺さった発表や、参加者同士がどういう話で盛り上がっていたのかなど、Xやブログなどで感想を共有していただけたら嬉しいです!

予想以上に人が来てしまってうろたえながら撮った写真

Tamachi.sre

Tamachi.sreは田町らへん*1でやるSREのオフライン勉強会です。扱うトピックはSite Reliability Engineeringに関連しているトピックであれば特に限定していません。SRE NEXTのコアスタッフ&元コアスタッフの3名で立ち上げました。

運営メンバー3名のうち2名、渡部さん(@ryuichi_1208)と横山さん(@tatsuo4848)は今回もSRE NEXTのコアスタッフで忙しそうなので、当日の司会&Tamachi.sreの発表は私が担当しました。

プレゼン資料の冒頭はイベントの説明、Tamachi.sreの紹介は18ページ以降です。

私の発表で伝えたかったことは、SRE同士で発表し合う機会はまだまだ求められているため、ゆるくても定期的に発表の場を設けることは有意義だと思うし、そういうコミュニティの数がもっと増えると嬉しい、ということです。

また、Tamachi.sreが「ゆるさ」を志向している理由を、私個人の体験も交えながら軽く紹介しました。

発表の最後に「Tamachi.sre が他の地域に行くより、山手線沿線でもっと地域 SRE コミュニティが増えるほうがよさそう」という話をしたところ、イベント後に「そういうことなら自分の最寄り駅でもやってみようかな」という反応をもらえたのは嬉しかったです。

SRE Lounge Hiroshima

SRE Lounge Hiroshimaは広島を拠点としたSRE(Site Reliability Engineering)に関する勉強会コミュニティです。このコミュニティを立ち上げたぐりもおさん(@gr1m0h)に発表いただきました。

ご本人がイベントレポートをすでに書かれているので、詳しくはこちらをご覧ください。

gr1m0h.hatenablog.com

オフラインのみというのはTamachi.sreと一緒ですが、初心者歓迎、一方通行にしない(飛び入りLT、宣伝も歓迎)ことを打ち出してるのは良いことだな、と思いました。

東京だと集客できてしまっているのでなかなか考えが至らないですが、普及・育成して小さいコミュニティを大きくするという観点が大事ですよね。

あと余談ですが、ぐりもおさんがChairだったSRE NEXT 2023までは私もコアスタッフをしていて、Chairをやり遂げた様子を見ていたので、"SRE Lounge" Hiroshimaという名前に付けた思いの話は驚きとともに感慨深く聞いていました。

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Fukuoka.sre

Fukuoka.sreはFukuokai.sreは福岡および九州で活躍するSREやクラウドネイティブ技術を扱うエンジニアのオフライン勉強会です。運営メンバーの一人である谷合さん(@jnytnai0530)に発表いただきました。

Fukuoka.sre立ち上げのきっかけは、2月開催のRoad to SRE NEXT 2026@福岡の懇親会とのこと。そんなゼロからのスタートで、6月に初回のFukuoka.sre#0を開催し、初回から30名を超える大盛況だったようです。

x.com

Road to SRE NEXTきっかけで、新しいイベントが実際に立ち上がった、というのはいい話ですよね。あと、Tamachi.sreをパクリインスパイアしている、と言ってもらえてるのは嬉しいです。

ちなみに、谷合さんは私が勤めているアンドパッドの同僚であり、Day 2では「xREとの連携による「SREの一日」と組織的協業の実際」というタイトルで発表されていました。

ホンマでっかSRE勉強会

ホンマでっか勉強会は、京阪神を拠点に、SREに関するトピックを中心に取り扱う勉強会です。運営メンバーの一人であるてけてけさん(@tk3fftk)に発表いただきました。

私はこの勉強会を、今回のイベント以前にXで見て知っていたのですが、初回から発表者のラインナップが豪華で「一体どういう人がやっているんだろう?」と驚いていたところでした。

こちらはゆるSRE勉強会きっかけのイベントで、「ゆるSRE勉強会での登壇体験がとても良かったので関西でも同じような場を提供したい」という目的で立ち上げたとのこと。「ホンマでっか{topic}勉強会」という形で、セキュリティなどの別テーマでの開催も検討中だそうです。

「ゆるくやる」ことを目指していると言いながら、Notionで課題認識を共有し、来てくれそうな人に声掛けし、ふりかえりを実施し、とやる気を感じる内容でした。

ただ、ゆるくやりたいというのは本当、というのはてけてけさんの初回の発表資料を見て納得しました。On-Callの通知音の発表、ゆるい上に面白くていいですね。

Road to SRE NEXT

Road to SRE NEXT(2026の開催告知)は、SREの普及とコミュニティの活性化を目的としたイベントシリーズです。今回は、2026の運営メンバーの尾上さん(@hiroyanoe)に発表いただきました。

2024年から開催されたこのイベント、2024年は4箇所開催だったものが、2025年は7箇所、2026年は8箇所と、年々地域が拡大しています。主に東京周辺にいるSRE NEXTスタッフが誰かしら現地に赴く形で、この規模で毎年開催できていることに驚きます。

また、今回の発表で、学生向けにアプローチしていることを初めて知りました。首都圏にずっといると忘れがちですが、裾野を広げるために、若いエンジニアや学生へのアプローチは大事ですし、そういうことにきちんと取り組まれているのは偉いなあと思います。

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ちなみに、Day 2の閉会式にて、尾上さんがSRE NEXT 2027のCo-Chairを担当されることが発表されました。頑張ってください!応援してます。

飛び込み発表:Nokuchi.SRE の開催宣言

最後に、VTRyoさん(@3s_hv)の飛び込み発表があり、Nokuchi.SRE(溝の口.SRE)の企画が発表されました。

ご自身で飲食店をやっているので、食事提供のある場所でイベントができる、というのはなかなか無い魅力ですよね。南武線沿線はエンジニアが多そう(私も以前住んでました)なので、きっと盛り上がると思います!

詳しくはすでにVTRyoさんがブログ記事を書かれてましたので、こちらをご覧ください。

blog.vtryo.me

イベントを振り返って

今回のイベントは、前半は各コミュニティの紹介、後半はコミュニティに興味のある方向けのディスカッションの時間としようとしていたのですが、私の時間の読みが甘く、前半のみで終わってしまいました。ディスカッションを期待して参加された方には、大変申し訳なく思います。

とはいえ、それぞれのSREコミュニティの運営メンバーが一同に集い、どのようなことを考えてコミュニティを立ち上げ、どういう悩みを持っているか聞ける、というとても貴重な機会になったと思います。私も、これからのTamachi.sreを考える上で参考になりました。

今回のイベントをきっかけに、紹介されたコミュニティのどれかに参加してもらえたり、新しいコミュニティを立ち上げてもらえたら嬉しいです。

最後に、このような場をご提供いただいたSRE NEXT 2026スタッフの皆さま、ならびにご登壇いただいた各コミュニティの皆さま、本当にありがとうございました!

おまけ:Tamachi.sre#5(7/23)のご案内

次回のTamachi.sre#5は、SRE NEXT After Party Specialと題して、SRE NEXTスタッフによる発表+αで開催します。日時は7/23(木) 19:00〜22:00、会場は田町のIVRyオフィスです。

40名→50名に増枠されましたので、参加を希望される方はぜひ早めにお申し込みください!

また、直前に都合が付かなくなる方は一定数いるため、もし枠が埋まっていた場合はキャンセル待ちもご検討ください。

*1:馴染みのない方向けに補足すると、山手線沿線で、品川駅から2駅先にある田町駅周辺のことです。私は未だにときどき田町を町田といい間違えそうになってしまいます……。

Tamachi.sre ってなに?という話と次回(2026/1/16)の参加募集開始のお知らせ

Tamachi.sreってなに?

Connpassページの説明文:

Tamachi.sreは田町らへんでやるSREのオフライン勉強会です。扱うトピックはSite Reliability Engineeringに関連しているトピックであれば特に限定していません。

SREに関心があれば、職場での役割や普段の業務はなんでもOK! ぜひ、お気軽にご参加ください。

Tamachi.sreは、SRE NEXTのコアスタッフ2名(渡部さんと横山さん)と元コアスタッフ1名(私、吉澤)が集まって発足した、SREの地域コミュニティです。スタッフ3名とも、勤め先が田町駅近辺にあるSREです。

渡部さん曰く「Shibuya.rbやらGinza.rbみたいなのが好きなのでそんな感じにしたい」とのこと。勉強会の名前もここから来ています。.sre なんて拡張子はないですが、他によい案も思いつかなかったので、元ネタを連想しやすい名前にしました。

私が思うTamachi.sreの特徴は、以下の3点です。

  • 地域コミュニティということで基本オフラインのみ
  • イベント運営を頑張りすぎない(小規模。食事提供なし。有志の二次会は自由)
  • 個々の発表時間は短め(SREの気軽な発表の場を増やすため。スライドを公開するしないも自由)

個人的には、イベント運営を頑張りすぎない分、気軽に開催できるし、スタッフも燃え尽きにくいという点に共感してスタッフ参加することにしました。

ちなみに、田町近辺に勤めていると仕事後に参加しやすいというだけで、参加も発表も特に田町近辺の方に限定していません。他地域からの参加も大歓迎です。

初回(Tamachi.sre#1)の様子

tamachi-sre.connpass.com

Tamachi.sre#1は田町駅前のマネーフォワードさんのオフィスをお借りして、10/2に開催しました。初開催にも関わらず26名もの方にお集まりいただき、質疑応答や、発表後のフリータイムの時間はとても盛り上がっていました。

会場の様子

発表内容はゆるいものから、やたら気合の入ったものまでさまざまでした。SREの発表の機会ってあんまりないので、たまに発表の機会があると妙にスライドが多くなっちゃったりしますよね。

ちなみに、私も15分セッションの枠をもらって、過去にブログ記事を書いたコスト削減の取り組みの技術的な詳細を発表させてもらいました。少人数ということもあり、質疑応答やフリータイムの時間に「なぜ他の手段を取らなかったのか」といった深い質問をしてもらえて、発表者としてもスタッフとしても大満足のイベントでした。

Tamachi.sre#2 の開催予定

こんな感じで、Tamachi.sreではSREのちょっとした発表の場を、継続的に提供していきたいと思っています。

次回のTamachi.sre#2は、少し先になってしまいますが、来年1/16(金)に開催します!会場は、住友不動産東京三田ガーデンタワー(三田駅・田町駅から徒歩5分程度)にあるアンドパッドのイベントスペースです。

以下のConnpassページで、一般参加&発表者の募集を12/1(月) 10時から開始します。

tamachi-sre.connpass.com

前回は、公募セッションが公開直後に埋まってしまったので、今回は公募セッションを多めに用意しました。ぜひ直近で発表したいネタがある!という方は、なるべく募集開始直後にお申し込みください。

皆さんのご参加お待ちしています!

最後に個人的な宣伝:SRE Kaigi 2026 での発表予定

最近、私はSREとしての仕事とFinOps的な仕事を兼任していて、SREのプラクティスをFinOpsに持ち込むようなことに挑戦しています。

来年1/31(土)のSRE Kaigi 2026で、この最近の取り組みについて発表できることになりました。タイトルは『予期せぬコストの急増を障害のように扱う――「コスト版ポストモーテム」の導入とその後の改善』です。↓にある概要を見てちょっとでも面白そうだな、と思ってもらえたら、当日はぜひ会場までお越しください!

2026.srekaigi.net

チケットは売れ行き好調で、懇親会付きチケットはそろそろ売り切れそうとのことです。最新の販売状況はSRE Kaigi公式のXアカウントをご確認ください。

アンドパッド入社後に書いたブログ記事&プレゼン資料まとめ(随時更新)

2023年3月から株式会社アンドパッドに入社し、前職に引き続きSREとして活動しています。アンドパッド入社後は、ANDPAD Tech Blogにブログ記事を書くだけでなく、SREチームの採用や情報発信について考える機会も増えてきました。

このページでは、SRE Lounge/SRE NEXTなどのイベントで初めてお会いした人に向けて、自分のこれまでの活動を紹介します。

(最終更新日:2026年7月2日)

目次

AWS Security Hub の導入

私が入社した時点では、セキュリティポリシーに反するリソースが作られても、それに気づきにくい状態だったため、AWS Security Hubを日常的に活用できるシステムを構築しました。

2023年9月からこのシステムを運用し、すでに1年以上活用しています。この運用で得られたノウハウを、テックブログや技術イベントで発信しました。

システムの構築後はSREチームでSecurity Hubを運用してきましたが、2025年4月にこの運用をセキュリティチームへ移管できました。そのため、現在は私の手から離れています。

システムの詳細

アンドパッドで構築したシステムの詳細を、以下のブログ記事で紹介しました。Security Hubの基本的な用語についても、この記事で解説しています。

tech.andpad.co.jp

また、カヤック・アンドパッド 合同 プロポーザル供養会(2023年12月4日開催)で、Security Hubの活用が難しい理由とその解決方法を解説しました。

システムの運用から得られた教訓など

Findy社のオンラインイベント「クラウドセキュリティを再吟味するために〜実例から学ぶ、考慮すべき観点とその対策事例〜」(2024年12月3日開催)に招待いただき、1年以上Security Hubを運用して得られた教訓を紹介しました。

上記イベントの講演時間は10分と短かったので、時間内に話しきれなかった詳細や、リアルな苦労などを、以下のブログ記事で紹介しました。

tech.andpad.co.jp

アンチウイルスソフト Antivirus for Amazon S3 の導入

私の入社当時に、アンドパッドで利用していたアンチウイルスソフトには、いろいろな問題が発生していました。そこで、いくつかのOSSや商用製品を比較検討した結果、AWS Marketplace経由で入手できるAntivirus for Amazon S3というソフトを導入しました。

Antivirus for Amazon S3 の紹介

この導入を通して、個人的にAntivirus for Amazon S3はとても良いソフトだと思ったのですが、日本語で書かれた情報はほとんどない状態でした。もっと多くの人にこのソフトを知ってもらいたいと思い、以下の紹介記事を書いたところ、予想以上に注目していただきました(はてブで200 usersを超えたのは久しぶりでした)。

tech.andpad.co.jp

セルフサービス化に向けた取り組み

前述のSecurity Hubも、このAntivirus for Amazon S3も、SREチームだけが抱え込むのではなくて、開発チームがセルフサービスで使える範囲をなるべく広くしようとしています。そのための取り組みについて、SRE Lounge #17(2024年7月2日開催)のスポンサーセッションで紹介しました。

インフラコスト削減、FinOps

アンドパッドでは、2024年6月から、SREとソフトウェア開発者を集めた専門チームによるインフラコストマネジメントプロジェクトを開始し、私はSREチームとの兼務でこのプロジェクトに参加していました。以下の記事で、このプロジェクトの背景や進め方、そして約1年の経験から学んだことを紹介しました。

tech.andpad.co.jp

また、SRE Kaigi 2026にて、コスト版ポストモーテムの取り組みについて紹介しました。

tech.andpad.co.jp

2026年1月からは新たにFinOpsチームを結成し、現在はSREチームからFinOpsチームに移ってテックリードを担当しています。今後は、アンドパッドに合った形を模索しつつ、徐々にFinOpsを開発組織へ取り入れていきたいと考えています。

SRE チームからの情報発信の強化

アンドパッド入社後に色々話を聞いていくと、SREチームは少数精鋭でアンドパッドのマルチプロダクト開発を支えていたものの、行うべきタスクに対してエンジニアが足りていない状況が見えてきました。

幸い、私にはSRE LoungeやSRE NEXTにコアスタッフとして参加してきた経験がありました。そこで、最初は私が活動を主導してやり方を示し、そこから他のメンバーの情報発信を少しずつ増やしてきました。

最近はSREチームだけではなく、SREと関連の深いCREチームなどにもサポートの範囲を広げています。

2023年のイベント

入社後に、SREメンバーの採用を強化するために行ったことや、2023年のイベント参加(SRE NEXT 2023、CloudNative Days Tokyo 2023、プロポーザル供養会)について、以下のブログ記事で紹介しました。

tech.andpad.co.jp

2024年のイベント

2025年のイベント

WEB+DB PRESS Vol.132「コンテナ化実践ガイド」はこれからコンテナ化する人必読の記事(のつもりで書きました)

本日12/24発売のWEB+DB PRESS Vol.132に、私が執筆した「コンテナ化実践ガイド」が掲載されました! 今までいろいろ文章を書いてきましたが、実は、書店に並ぶ雑誌に記事を書いたのは初めてです。ドキドキしながら発売日を待ってました。

gihyo.jp

ちなみに、電子版がほしい方はGihyo Digital PublishingのEPUB/PDFセットがおすすめです。

gihyo.jp

想定する読者は?

歴史の長いシステムで、モノリシックなアプリケーションを開発・運用している方に向けて、コンテナ化を進めるためのステップを具体的に解説したガイドです。

ここまで具体的に(悪く言えば泥臭いことを)説明している資料は、少なくとも僕は見たことがないので、これからコンテナ化に着手する人には必ず役立つと思います。「うちのシステムをコンテナに乗せて、本当に動くのか……?」と悩んでいる方に是非読んでほしいです。僕がBacklogのコンテナ化に着手する前に読みたかった記事を目指しました。

また、「絶対コンテナ化しなきゃ駄目!」とは書いていなくて、こういう場合はコンテナ化以外の改善をしたほうがいい、という話もしているのでご安心ください。

逆に、「モダンなアプリケーション開発をしているから、なにも苦労しなくてもコンテナに乗りますよ」という方にとっては、この記事のガイドは過剰かと思います。まあ、最近だと、そういう方は最初からコンテナを使ってますよね……。

どういう記事なの?

以下の全5章で構成されています。1章で、この記事で言う「コンテナ化」とはなにかを丁寧に説明してから、2〜5章でコンテナ化の具体的な進め方や、ありがちな落とし穴を説明しています。

  1. あなたのシステムにコンテナ化は必要か?
  2. コンテナ化の計画を立てる
  3. アプリケーションを改善する
  4. アプリケーションをコンテナで動作させる
  5. 本番環境にリリースする

この記事では、僕がBacklogのコンテナ化を実際に行った際の経験から、コンテナ化プロジェクトを以下の4つのフェーズに分けました。2〜5章は、これらの各フェーズに対応しています。

計画フェーズ、改善フェーズ、コンテナ化フェーズ、リリースフェーズ
コンテナ化プロジェクトを構成する4つのフェーズ

1〜2章を読んでもらえれば、僕が考えるコンテナ化プロジェクトの進め方は理解してもらえると思います。3〜5章はさらに具体的な話になるので、実際にコンテナ化することになったら読む、というのでもOKです。

Backlogのコンテナ化って?

僕はヌーラボという会社で、Backlogというプロジェクト管理ツールのSREを5年以上担当してきました。

Backlogには、そのトラフィックの約9割を処理するモノリシックなWebアプリケーションがあるのですが、以前はこれがEC2インスタンス上で動いていました。このアプリをコンテナ化するプロジェクトを2021年4月〜2022年8月に実施し、現在はAmazon EKS上で動いています。

このプロジェクトは本当に最後の最後まで、未知の問題が発生するんじゃないかとビクビクしながら進めました。コンテナ化を進めていくうちに、既存のアプリケーションの問題がいくつも新たに見つかり、上記のフェーズ分けを当てはめるなら「改善フェーズ」がどんどん伸びていって、これは本当に無事に終わるのかと……。

改善フェーズの終了時期がコンテナ化フェーズの終了時期まで伸びている
コンテナ化フェーズの前に終わると思っていた改善フェーズがどんどん伸びていく様子

しかし、そんなプロジェクトも無事に終わり、いまはBacklogを構成するその他の細かいアプリケーションサーバのコンテナ化を進めています。それらの活動から得られた知見をもとに、今回のWEB+DB PRESSの記事を執筆しました。

WEB+DB PRESSの記事では、このBacklogのコンテナ化自体については詳しく触れていないので、もしご興味のある方はSRE NEXT 2022の発表スライドや発表動画をご覧ください。

執筆のきっかけとSRE Lounge/SRE NEXTへの感謝

今回のコンテナ化実践ガイドは、今年5月のSRE NEXT 2022の発表をきっかけに、技術評論社の池田さんからお声がけいただいて書くことになりました。SRE Lounge/SRE NEXTのようなSREのための情報共有の場は貴重だと思い、長い間スタッフとして参加してきましたが、今回はその貴重さを改めて強く実感しました。スタッフの皆さんいつもありがとうございます。

ちなみに、池田さんから最初にお声がけいただいたのは6月だったのですが、そのときはまだコンテナ化が終わっていませんでした。コンテナ化が無事に終わってから企画会議でOKをもらって書き始めて、12月の雑誌掲載となりました。

昔、研究者だった頃は、こういう雑誌に記事を書けるくらいの有識者になりたいと思ってたものですが、そんなことをすっかり忘れた今になってお声がけいただいてビックリしました。人生なにがあるかわからないもんですね……。

ちなみに

このブログ記事はヌーラバーブログリレー2022の24日目でした。最終日となる明日はAya Yoshidaさんの担当です。そちらもお楽しみに!